2006/12/20

経済学を学ぶ



本書は経済学の入門として、主に社会現象における経済学的なものの見方というものを教えてくれる。経済学的に社会の動きを見ることは、ただニュースを額面通りに受けとることよりも深く世の中の流れを見ることができ、次に自分がどう判断すれば良いかの指針を与えてくれる。

また、本書では市場経済の発展のごく簡単な歴史、社会主義的な経済の問題点などについても触れられている。

中でも僕が興味を持ったのは、「市場経済≠金銭至上主義」ということがはっきりと述べられている点である。何も経済学は金銭のからむことにしか適用できないわけではない。むしろ金銭の流れだけを見ていたのでは本当の世の中の動きは見えない。このことが、かえって経済学を多少勉強したことがある人に誤解されているということだ。そして金銭に換算できるものしか説明できない経済学に限界を感じてしまうらしいのだが、本書を読めばそれが間違いであることがわかる。

経済学は敷居が高そうで、興味があるけど躊躇している、あるいは経済学なんて信用しない、という人にぜひ読んでいただきたいお勧めの本である。