2006/12/23

僕とウェブとの付き合い方は(「ウェブ人間論」を読んで)

ウェブ人間論
ウェブ人間論
posted with amazlet on 06.12.24
梅田 望夫 平野 啓一郎
新潮社
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ウェブを活用し始めてから、僕の生活は以前よりはるかに豊かになった。以前までは、何か気になることがあっても、自分一人であれこれ考えるか、周囲のほん の数人と話してみるだけだった。それが、ウェブ上では誰かが僕の気になることについて何かしら意見を書いていてくれる。その意見について他の誰かがコメン トしたり、自分のブログで意見を書いている。それを見ていくことで、多くの人の意見がわかり、独善的にならないように自分の意見を構築する手掛りにできる。

RSSリーダーを活用することを覚えて、何十というブログ、百を越えるサイトをチェックすることができるようになった。毎日色々な話題で色々な意見が飛び 交い、新聞やテレビなど一方通行のメディアだけで情報を仕入れるよりも、世の中が動いていることを直接感じることができる。

そして、以前と今とで何が変わったって、読む本の量が圧倒的に増えた。これが一番大きな変化であって、一番大きな利益を僕にもたらしている。これまでも多く の本を読んできた。でもそれは本の存在を僕が認識しているものばかりで、知らない本との出会いは多くはなかった。それは書店に本が多過ぎて、どれを読んで良いの か決める手段を持たなかったことが原因だ。

ウェブで情報を集め始めてから、ウェブ上で話題になっている本、あるいは誰かが書評している本を読んでみるようになった。ウェブが僕に本を手に取るきっかけを与えてくれていると言える。そうやって読んだ本はもう何冊にも及ぶ。

そして今はその次の段階にいる。僕が本の紹介を始めたことだ。まだ少ないが、ここで紹介している本は誰かのブログで紹介されていたものもあるし、自分で選 んだものもある。読書を自分一人の中で終わらせるのではなく、その本から得たものを外に向けて発信することが、今度は僕に本を手に取るきっかけを与えてく れている。膨大な本の中から自分が書評を書けそうな話題の本を選んだり、しっかり勉強したい内容のものを選んで自分に書評を課すことで、読書がより豊か に、より有益になっている。そして自ずと読みたい本が見えてくるようになった。

ここまで書いてみて読み直してみると、すっかり書評ではなくなってしまっている。でも僕はこの本は、梅田さんと平野さんの二人の対談を通して自分とウェブとの付き合い方を考える本だと感じた。だからこれでいいのだ、ということにしておこう。